JINZO Paint version 1.14 について

1. 概要

 JINZO PAINT (4階調グレー版)は、WindowsCE で動作する、ペイント系のお絵描きツールです。
 基本的な描画、カットアンドペースト、ルーペ、塗りつぶし、直線・矩形・楕円描画、セーブ/ ロード機能に 加えて、強力な色演算機能を搭載しています。
 扱えるデータは、実画面サイズの4階調データのみです。

 作者の環境での開発および動作確認は、CASSIOPEIA E-55 および Jornada720 で行っています。

2. 画面イメージ

   

3. インストール方法

 インストールの場合は、JZPaint.exe を WindowsCE の任意のフォルダにコピーしてください。
 アンインストールの場合は、JZPaint.exe を WindowsCE から削除してください。
 レジストリに対する操作は、本プログラムでは行っていません。

4. 機能説明

     
  1. Fileメニュー  
  2. Editメニュー  
  3. ツール選択  
  4. ペンのサイズ  
  5. ペンの色  
  6. ペンのパターン  
  7. 消しゴムのサイズ  
  8. ルーペ  
  9. アンドゥ

 上図が、JINZO Paint の画面です。スタイラスペンで、中央の白い部分に絵を描くことが出来ます。 サイズは実画面サイズで、PsPCではタスクバー表示状態で 240 x 270 ピクセルです。
 上部メニューバーで、機能を切り替えることが出来ます。

(1) Fileメニュー

 プルダウンメニューで、以下の機能を使用できます。

 Tillanosoftさん作のtGetFile.dllに対応していますので、 PsPC、PocketPC、PocketPostPetの場合はtGetFile.dllをインストールすることにより 操作性の向上が期待できます。

(2) Editメニュー

 プルダウンメニューで、以下の機能を使用できます。

(3) ツール選択

 プルダウンメニューで、以下のツールを選択できます。

(4) ペンのサイズ、(5) ペンの色、(6) ペンのパターン、(7) 消しゴムのサイズ


 (4)を押すことで、ペンのサイズを変更できます。

 (5)を押すことで、ペンの色を変更できます。

 (6)を押すことで、ペンのパターンを変更できます。


 ペンのスタイルは、100%, 87.5%, 75%, 62.5%, 50%, 37.5%, 25%, 12.5%, カスタムトーン の9種類が有ります。
 密度が100%未満の場合は所々間引かれていますが、間引かれたドットは背景色(BackGround Colorダイアログで指定した色)となります。(上図(上)は背景色=無色(None))
 上図(下)は75%と25%の上に50%で描いたものですが、密度の大きいスタイルの上に密度の小さいスタイルで描いても、密度は元の大きい密度のままとなります。
 Reverse を選択すると、パターンが反転します。
 カスタムトーンは、Load CustomToneコマンドで指定された画像データの左上16x16ピクセルのパターンを2値のスタイルとして使用します。この画像データはJINZO Paintで描画・セーブしたものが使用可能です。

 (7)を押すことで、消しゴムのサイズを変更できます。
 消しゴムは、色=白、パターン=100%です。
 消しゴムを選択した時の直前のペンのサイズ、色、スタイルの設定は残るため、再度ペンボタン押す、またはツールボタンから Pen を選択することでその設定から描画を再開できます。

(8) ルーペ

 ルーペモードにより、拡大イメージでの編集が可能です。
 拡大率は、1倍(通常)、2倍、3倍、4倍、8倍から設定出来ます。
 1倍以外の場合は、x1view をチェックすることで左上に原寸イメージが表示されます。
 原寸表示指定は各倍率で個別に保存され、起動時は2倍は非表示、3,4,8倍は表示となっています。
 Handツール、またはカーソルキーでスクロールできます。また、1倍ではスクロール座標は原点に戻ります。
 


(この絵は、ぱえ作成のデータです)

(9) アンドゥ

 各種の描画に対して、1回の取り消しが出来ます。

背景色設定

 ペン描画時の背景色を設定します。


 Editメニューから BackGround Color を選ぶと、上図のダイアログが開きます。
 透明色および黒,濃,薄,白のラジオボタンがあります。パターンが100%以下の場合、ここで指定した色が背景色となります。


 上図は(上)背景色=無色、上図(下)は背景色=薄での描画例です。

色変換機能

 表示中の ClipBoard データに対する、色の変換を設定します。


 編集から Color Convert を選ぶと、上図のダイアログが開きます。
 上から黒,濃,薄,白と4つの描画色があり、それぞれに4つの変換色に対するラジオボタンがあります。 上図では、黒→黒、濃→白、薄→濃、白→白に設定しています。

 ここで、例を見てください。
 アタリ(下絵)を描く例です。


  1. 薄で下絵を描きます。
  2. 黒で主線を描きます。
  3. Select RectArea → Copy で、対象を ClipBoard にコピーします。
  4. 薄→白をチェックすることで薄の部分が白に変換されるので、これを Paste することでアタリ線を消すことが出来ます。

色演算機能

 描画色と元画像の色の関係を設定します。


 Editメニューから色オプションを選ぶと、上図のダイアログが開きます。
 上から黒,濃,薄,白と4つの描画色があり、それぞれに4つの元画像の色に対するチェックボックスがあります。上図では、描画色=濃では背景色=黒はチェックされておらず、元画像の色=薄、白はチェックされています。

 ここで、例を見てください。


 黒・薄の上に濃で描画した場合ですが、通常では上のように黒・薄の上に濃で描画してしまいます。しかし、色オプションで、描画色=濃に対して元画像の色=薄に対するチェックを外すと、下のように薄には描画を行いません。
 このように、元画像の色に対して描画色で描画を行う/行わないを自由に設定することが出来ます。

 さらに、色演算機能の便利な使用方法をいくつか紹介します。

(i) 黒の輪郭線に、色を塗る例です。


 上図(上)の輪郭線に色を塗る場合、色オプションで描画色=濃・薄で元画像の色=黒のチェックを外しておくと、 輪郭線はそのままで色を塗ることが出来ます。

(ii) 薄で影を付けた上に、濃で2段影をつける例です。


 色オプションを設定しないと、左下のように黒や白の上にも濃を塗ってしまうため、修正が面倒です。
 色オプションで、描画色=濃で元画像の色=黒・白はチェックを外し、薄にだけチェックをしておくと、黒・白に対しては描画を行わず薄にだけ描画を行うので、はみ出す心配なく濃を描くことが出来ます。

5. パソコンとのデータコンバートについて

 パソコンとのデータのやり取りでの注意事項です。
 WindowsCEの扱う4階調データは2bpフォーマットというBMPの一種です。2bpでは4つの24ビットパレットデータを格納しています。
 CEサービスでbmp⇔2bpの変換(と転送)を行う際には、以下のパレットデータが埋め込まれている必要があります。本プログラムでは、このデータを採用しています。

{ 0x00, 0x00, 0x00 }
{ 0x80, 0x80, 0x80 }
{ 0xC0, 0xC0, 0xC0 }
{ 0xFF, 0xFF, 0xFF }

 ただし、一部のアプリケーションでは、2bpやbmpに以下のようなパレットデータを埋め込んでしまいます。

{ 0x00, 0x00, 0x00 }
{ 0x55, 0x55, 0x55 }
{ 0xAA, 0xAA, 0xAA }
{ 0xFF, 0xFF, 0xFF }

 これらのデータをCEサービスで変換転送した場合、変換が正しく行われず、色化けなどが起こってしまうことがあります。これはCEサービスの不備と言ってもいいと思います。
 本プログラムとCEサービスの間だけでデータをやり取りするだけであれば問題ないのですが、前述の異なるパレットデータを埋め込むアプリケーションとでやり取りをした場合、画像データが正常に扱えなくなります。
 当方ではこれに対する解決方法をまだ確立できていません。バイナリエディタで書き換えることで対処しているのが現状です。スマートな解決方法がありましたら、御連絡ください。

6. Tips

7. 注意事項

 以下に、本プログラムの注意事項を示します。

  1. 本ソフトウェアはフリーウェアです。
  2. 本ソフトウェアをインストール・動作させたことにより何か不具合が起ったとしても、当方は一切の責任を持ちません。動作確認はきちんと行っていますが、あくまでも各自の責任において、インストールを行って下さい。
  3. 本ソフトウェアを使用したことにより、PDA本体のデータなどが消失する可能性がないとは言えません。システムやデータのバックアップをなるべく取っておくことを心がけてください。
  4. 非営利目的による個人間の再配布は制限しません。いくらでも、興味の有る人にデモ&コピーしてあげて下さい。なお、他サイトやBBSへの転載については、こちらまでご連絡下さい。
  5. 本ソフトウェアはフリーウェアとして流通させていますが、そのソフトの著作権については放棄していません。よって、ソフトウェア、ドキュメントに関する改編は禁じさせていただきます。

8. 変更履歴

ver1.0→1.00a

ver1.00a→1.1

ver1.1→1.12

ver1.12→1.13

ver1.13→1.14

9. 連絡先

 ご意見、御感想などがありましたら、作者までお願いします。

    名前:上野 智弘
    e-mail:t-ueno@mtc.biglobe.ne.jp
    ホームページ:Tomohiro Ueno HomePage

10. 謝辞

 このプログラム作成にあたり、以下の方々にお世話になりました。

このドキュメントの画面キャプチャ画像は、CaptCEにて取り込みました。また、画面キャプチャ画像の赤色文字は説明のために、別途書き足したものです。



お気づきの点がありましたら、 t-ueno@mtc.biglobe.ne.jpまで